人工知能(AI)を搭載したロボットやアプリを活用した英語の授業が、学校現場で広がりつつある。2020年から始まる大学入試共通テストの英語で、「話す」を含む4技能をはかる試験が導入されることも一因とみられる。外国人指導助手の不足を補うため、生徒1人に1台ずつ導入する学校も。「自分のペースで学べる」と評判は上々だ。

1対1で会話■ALTの代わり

5月下旬、新潟市柏崎市立北条中学校の英語の授業で、生徒がAIを搭載した英会話ロボット「Musio」(ミュージオ)を相手に英語で話しかけていた。

「ドナルド・トランプは好きですか?」

3年生の福島拓実さん(14)が尋ねると、「ノー」と答えが返ってきた。「言っていることは全部は分からないんだけど、だんだんコミュニケーションをとれるようになってきた」と福島さんは言う。

「何をしている時に、わくわくする?」と聞いた生徒には、「友達とバーベキューをしている時かな」という返答があった。

同校では4月に試験的に導入して以来、英語の授業で毎回使っている。英語教員の太田聡さん(55)は「いつも近くにいる学習コンパニオン(友だち)のように、使っていければ」。

ミュージオは、会話内容をスマホなどのアプリで確認できる機能もあり、それぞれの生徒がどんな会話をしたか、教員がチェックできる。日本語の単語を言うと、英語で教えてくれる機能もある。

朝日新聞/2018/06/12/日付より